MT5ってMT4の進化版だからそろそろMT5にした方がいいのかな?
MT4、MT5はそれぞれにメリット、デメリットがあるんだ。
MT4からMT5への移行は意外と大変だから慎重に選んだ方がいいんだ。
MT4(MT5) とは
MetaTrader(メタトレーダー)というFXトレードツールがあり、MT4はMetaTraderのVer4、MT5はVer5となります。※現在MT5が最新バージョンとなってます。
様々な分析が出来、高性能なツールですが無料で使用することが出来るため、FX業界では世界で最も利用されているFXトレードツールです。
MetaTraderはロシアのMeta Quotes Software社によって開発されたツールです。
MT4(MT5) では様々な通貨ペアに対応したチャート分析を行うことができます。
多くの取引業者がメタトレーダーを取引システムとして採用しており、発注から決済までをメタトレーダーで行えます。
このソフトウェアは独自のプログラミング言語(MQL)を提供しており、知識さえあればオリジナルのテクニカル指標(カスタムインディケーター)や自動売買システム(EA)を誰でも無料で作成できます(あくまで玄人向けです)。
現在FX業界では、取引を行う上でのプラットフォームで、MetaTrader 4(MT4)が広く普及しています。それを追従するかたちでバージョンアップしたMetaTrader 5(MT5)が少しずつ普及してきています。
MT4とMT5のどちらを選ぶべきか迷った時になんとなく、「後に出た5の方が良さそうだから、MT5にしよう」という短絡的な考え方をしない方が良いかもしれません。MT4の方が優れている点があります。MT4の優れている点は下記で詳しく解説します。
それでは、MT4とMT5の違いを比較していきましょう。
本記事では特徴とともにMT4とMT5どちらを選べばいいのかを解説していきます。
徹底比較
項目 | MT4 | MT5 |
対応業者の数 | ほぼ全部の業者 | 一部の大手業者のみ (少しずつ増えてきている) |
標準インジケーターの数 | 30種類 | 38種類 |
表示が可能な時間足 の種類 |
9種類 | 21種類 |
描画ツールの違い | 31種類(基本的なもののみ) | 44種類 (エリオット推進・修正波、矢印線、長方形ラベルなどの機能が追加で利用可能) |
使用可能EAの数 |
とても多い | 少ない(少しずつ増えてきている) |
PC動作速度の違い | 重い | 軽い |
それでは表の項目1つ1つをMT4とMT5で比較してみましょう。
対応業者の数
MT4とMT5を両方サポートしている海外FX業者はまだまだ少ないです。
有名どころの代表的な証券業者は、XM、BigBoss、AXIORY、Tradeview、FBS、Exness などです。
MT4はほとんどの海外FX業者で利用できるほど有名な取引プラットフォームです。世界中で多くのユーザーに支持され、安定した機能性を持つMT4は、利用者の数だけ情報が豊富にあります。
それに比べてMT5はリリースされてから未だ間もないこともあり、取り入れている業者はまだ少ないですが、少しずつ増えてきています。
当たり前ですが、MT5が使える業者が少ないということは、ユーザー数も比例して少ないです。
MT4、MT5が使える海外FX業者は下記リンクの「業者紹介」のページで確認が出来ます。
標準インジケーターの数
MT4には30種類の標準インジケーターが含まれています。
対して、MT5では38種類の標準インジケーターが提供されており、より高度な分析が可能です。
尚、テクニカル分析に使えるインジケーターはMT4、MT5どちらのプラットフォームにも最初から備わっています。
特に、移動平均線、RSI、パラボリックなど多くのトレーダーが利用するインジケーターは、どちらのプラットフォームでも利用できます。
しかし、MT5の方が搭載されているインジケーターの種類がはるかに多いです。
MT5を使うと、MT4では利用できないGMMAやTEMAなどのインジケーターを活用できるため、より多彩なトレード戦略を展開できます。
表示が可能な時間足の種類
MT5は以下の21種類の時間足でチャートを表示できます。
1分、2分、3分、4分、5分、6分、10分、12分、15分、20分、30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、日足、週足、月足
一方、MT4は以下の9種類の時間足になります。
1分、5分、15分、30分、1時間、4時間、日足、週足、月足
MT5ではより詳細な時間足分析が出来るようになった。という意見がある一方、MT4の9種類で十分間に合っているという意見もあります。
描画ツールの違い
MT5ではMT4よりも多くの描画ツールに対応しています。
描画数は、MT4 31種類 ⇒ MT5 44種類 になり 13種類増となりました。
描画を使い検証するタイプのトレーダーにとっては大きな変化点となっているようです。
中でもエリオット推進・修正波、矢印線、長方形ラベルの機能が利用できるようになったことが話題となってます。
※エリオット波動は将来のトレンドを予測する描画ツールです
使用可能EA(自動売買ツール)の数
EA(Expert Advisor)とは、外国為替取引(FX)や他の金融市場で使用される自動取引システムを指します。
EAの種類は、短期売買、長期売買、スキャルピング、順張り、逆張り、ナンピンマーチン など様々なタイプのEAがあります。
MT4で使えるEAは非常に多くのものが世の中で公開されており、トレーダーはさまざまな取引戦略や分析手法に応じて、自分に適したものを選択できます。
一方MT5で使えるEAはまだまだ普及されていないため、EAを用いた取引を前提としているトレーダーは現時点ではまだMT4を使った方がよいでしょう。
PC動作速度の違い
MT4はMT5に比べて動作が重いです。
MT4では、MT4の設定内容やPCスペックによってはMT4のアプリケーションを開くのに時間がかかることがあります。
一方で、MT5はその点改良されているため、サクサクと動作し、より速く動く傾向にあります。
特に多くの通貨ペアを監視するトレーダーは、処理能力の高いMT5が適しています。
普段10通貨ペア以上のチャート画面を同時に表示させているトレーダーも多くいますが、MT4ではそれなりのPCスペックが必要になります。
素早い判断が求められる取引スタイルであるスキャルピングの場合、動作が軽いMT5を利用したほうがよいです。注文から約定までのタイムラグが少なくなるため、思い通りの取引がしやすくなります。
MT4のメリットとデメリット
MT4のメリット
・メジャーな証券会社はほぼ100%MT4が使用可能
・MT4は長い歴史があり、情報量が豊富
・EA(自動売買システム)やカスタムインジケーターが数多く世の中に出回っている
※EAはMT4とMT5での互換性は無いです
上記でも記載しましたが、EAを用いた取引を前提としているトレーダーは現時点ではまだMT4を使った方がよいでしょう。
MT4のデメリット
・動作が遅い(重たい)
・一部のバージョンはサポートが終了しており、将来的にはMT5へ完全移行が進む可能性がある
向こう数年間の間はMT4が使えなくなることは無さそうですが、海外のFX業者を中心にMT5に移行している流れがあります。
MT5のメリットとデメリット
MT5のメリット
・動作が早い(軽い)
・約定スピードが速いため、スキャルピングトレーダーに向いている
・多くの時間足を表示でき、板情報やナビゲーターウィンドウも見やすい
・描画ツールのエリオット推進・修正波、矢印線、長方形ラベルの機能が使用できる
MT5はMT4に比べて動作が軽く、ストレスなくトレードに集中できるでしょう。
タイムラグを感じず、約定も滑りにくいのが特徴です。
その理由は、MT5ではPCの一次記憶装置を効果的に活用しているためです。ただそのため、MT5は多くのメモリを使用するため、低スペックのPCでは効果が半減する可能性があるので注意が必要です。
MT5のデメリット
・MT5に対応している海外FX業者が(まだ)少ない
・ユーザーが(まだ)少ないため、情報量が少ない
・対応するEA(自動売買システム)やカスタムインジケーターが少ない
ここ最近では多くの海外FX業者少しづつMT5の導入する動きが出始めてますが、MT4の普及率に比べるとまだまだ少ない状況で、MT4がまだ市場で大半を占めているのが現状です。
操作で困ったときに情報が少ない点はデメリットと言えるかもしれません。
またMT5は動作が早いですが、それはPCのスペックが高いのが前提となるため、古いPCなどスペックが低いPCの場合、快適に動かないこともあります。
MT4からMT5にチャート設定やEA・インジケーター移行は至難のわざ
MT4からMT5への移行は、チャート設定やEA、インジケーターなど、いくつかの重要な要素を直接的に移行できません。
MT4とMT5で使用されているプログラム言語が異なるためであり、MT4のデータをMT5に簡単に持ち込むことができないからです。
しかし、いくつかの方法を試すことで、移行作業をスムーズに進めることができます。
まず、MT4のEAやインジケーターのコードをMQL5形式に変換する方法があります。
これには、コードを手動で修正するか、自動変換ライブラリを使用する方法があります。
また、一部のプログラマーは、MQL4からMQL5への変換を行うためのライブラリを提供しています。
さらに、共通ライブラリを使用することもできます。
これにより、MT4からMT5に移行する際に共通のライブラリを使用して、EAやインジケーターを再利用することができます。
もう一つの方法は、EAやインジケーターを手動で再作成することです。
これは手間がかかりますが、最も確実な方法の一つです。
MT4からMT5には移行できないものもあります。
チャート設定やEA、カスタムインジケーターなどです。
これらの要素はすべて、新しく設定する必要があります。
MT4からMT5への資金移動は可能です。
しかし、証券会社によっては入金ボーナスが消失する可能性があるため、注意が必要です。
MT5の板情報は実際使える?【上級編】(おまけ)
MT5には、「板情報」という追加機能があります。
これは、現在の価格の上下にどれだけの注文があるかを示すもので、価格の動向を予測するのに役立ちます。
たとえば、買い注文が多い場合は価格が下がりにくいと判断する、という感じで利用します。
この機能はFXトレーダーよりも株取引でよく利用されています。
MT4使用者はあわてずにMT5に移行しなくていい
MT4が登場してから5年後、MT5がリリースされましたが、それから10年以上が経ち、MT5の普及はなかなか進んでいません。
MT4からMT5への移行が進まない一因は、やはり「EAやカスタムインジケーターの互換性がない」ことです。
これまで利用してきたインジケーターやEAが使えなくなることが大きなデメリットとして挙げられ、MT5への移行は進んでおりません。
ですが現在公式ではMT5を推奨していることもあり、MT5で取引を始める人も徐々に増えています。
しかし、MT4のままで全然問題ないと思っているユーザーもいることは確かで、実際多くのトレーダーが未だにMT4を利用しています。
最近では、EAやインジケーターを簡単にMT5にコンバート(変換)するサービスも進化しており、行く行くはMT5のユーザー比率が増えてくることが予想されますが、それにはまだ時間が掛かりそうなのでMT4で差し支えなく利用出来ているのであればあわてずに移行する必要はありません。
まとめ
MT4がおすすめの人
MT4は、自分のトレードスタイルやニーズに合わせてカスタマイズしたい方に最適です。
インジケーターやEAの種類が豊富で、自動売買トレーダーにとっては特に魅力的です。
MT4が広く普及しており、多くの業者が対応しているため、使い慣れた環境でトレードを続けることができます。
情報も豊富で、ネット上でも簡単に情報を収集できます。そのため、MT4は現在でも多くのトレーダーに利用されています。
MT5がおすすめの人
MT5は、カスタムインジケータや自動売買システム(EA)を使わずにチャート分析をするトレーダーに向いています。
MT5はMT4に比べ、基本的な性能は優れており、動作スピードや表示できる時間足の豊富さなどが特徴です。
ただし、MT5用のカスタムインジケータやEAの種類がまだ少ないため、MT5への移行が進んでいない傾向があります。
カスタムインジケータやEAを利用しない場合は、MT5を選ぶことで利点を活かすことができます。
選択に迷った時
おおよその目安を上の分岐表にまとめました。
選択の際の参考にしてください。
自分のトレードスタイルやニーズに合ったプラットフォームを選択することで、より効果的なトレードが可能になります。